抜け殻/A Cast-off Skin

オブジェクト

MUJI AWARD INTERNATIONAL DESIGN COMPETITION


2006515日より831日までの約3ヶ月半募集しましたMUJI AWARD 01 52カ国から4,758通ものご応募をいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。今回は「隅」というテーマのもと、さまざまな視点からご提案をいただきました。

厳正なる審査のもと以下のように受賞作品が決定しましたのでご紹介いたします。また審査員からのコメントや総評などもぜひご覧ください。

金賞

作者名:小宮山 洋(日本)

用途:節電用コンセントプラグ

目的:
1
、節電
2
、コンセントに埃やくずが入らない
3
、コンセントとコンセントプラグを楽しく繋いでおく

意図:
昔の日本人は現世に存在する人を「空蝉」と呼びました。「空蝉」とは、蝉の抜け殻の事です。カタチある物は空の容れ物であり中身には目には見えない魂が入っていて、それが輪廻をぐるぐると転生してこの世をつなげていると考えられていました。この考えを元にしてコンセントプラグにほんのちょっとした楽しいストーリーを与えてあげたのが節電用コンセントプラグ「抜け殻」です。

サブジェクト

考え方は意匠たりえるか?


考え方や思想そのものをカタチにしたいという欲求が変わらずに自分の中にあることに気付いたのはちょうどこの頃。「抜け殻」という作品は、モノに魂の痕跡を擬似的に残すという試み。死生観という抽象度の高いテーマを設定し、日常の隅にある誰も気にしないようなディテールにおとしこむことで不思議なコントラストを生み出せないかと考えた。人によっては、そのコントラストのことをロマンともポエティックとも呼ぶかもしれない。

魂の痕跡を残すという「擬似的」な試みから「実践」「真正」へと近づこうとしている現在の自分にとって、この作品と対峙する時、根源的に自らが持っている興味の対象がありありと立ち表れてくる。

“何といいますか、僕はこうした「真正」というものはむしろ無に近くて、このような過程こそが生きている証のような気がしています。” 

一連の思考の変遷に対して小説家の佐々木新さんからいただいた言葉はすこぶる示唆的だ。